ドクターマーチンを娘に買ってあげた話

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娘へ20歳の誕生日プレゼントにドクターマーチンを買ってあげたんだ。

成人式の晴着はレンタルだったけど、ドクターマーチンには思い入れがあるからね。

 

去年の秋に、玄関に見覚えのない、黒いダサいブーツが脱ぎ捨ててあったから、家族に誰があのブーツを買ったのか聞いたら、娘が買ったらしい事がわかった。

今風の靴しか履かないと思ってから、編み上げのブーツなんて履くんだ?って聞いたら、どうやらファッション路線の変更があったみたい。

あのデザインのブーツを買うならドクターマーチンなんじゃないの?って聞いたら、それは知ってるんだけど、あれって高いからって。

 

そうか・・・

 

生まれて初めて聞いた曲を強制的にLONDON CALLINGにされた娘がまだ小さい頃、お揃いでドクターマーチンを履きたくて、小さいサイズを探し回ったんだ。今みたいにネットで海外からでも取り寄せられるって時代じゃなかったんで、原宿、渋谷をしらみ潰しに探したんだけど、小さな足に合うサイズが見つけられなかったのを思い出した。あの頃ってどうしてあんなに暇だったんだろう?(笑)

 

黒猫が今も履いてるドクターマーチンは、ちょうど成人式の年に買ったんで、もう30年以上も一緒に過ごしてきたんだな。毎日のように履いてた。バイクに乗る時も一緒だったし、何かに怒って壁を蹴ったりもして爪先は傷だらけ、船の甲板で作業する時も履いていたんで、ペンキもついてる。手入れはしていたんだけど、もうすっかりヨレヨレでヘビーローテーションには耐えられそうも無い。あの頃、飲み慣れない酒を飲み過ぎてゲロを吐いた時も、ゲロ溜まりの足元にはドクターマーチンがあった。

 

あれから何足もドクターマーチンを買ったんだけど、海の近くに引っ越して来た時に、革製品はカビが生えるからと彼女に言われて、沢山のライダースと一緒にフリマで全部売り払い、手元に残したのは初めて買ったスチールトゥーとチェルシーだけ。

 

彼女には、娘に甘いんじゃない?

買ってあげる必要なんか無いよ!

って言われたんだけど、色々と思いがあるんで、

今回は黒猫の好きにさせてもらった。あの小さかった頃にできなかった、お揃いでドクターマーチンを履きたかったんだ。

 

タフに履いても、40年だって履けるのは実証してるんで、君もタフに生きてこのドクターマーチンを履きつぶして欲しい。それには長い年月が必要だし、辛い事とか沢山あるだろうけど、そんな時に足元のドクターマーチンを見て、甘やかしてくれた父親を思い出して、応援されてるんだってのを思い出して欲しい。

 

そんな思いを込めてるとは言わず「長く履いてくれれば嬉しいよ」とだけ娘に言って、ドクターマーチンを渡したよ。

 

それを見た下のチビは「ドクターマーチンは俺が欲しいって言ってたのに、なんで先に手に入れてるの?ずるいんだけど」と悪態をついていた。

まぁ慌てないでくれ。あと1足買うと非売品のノベルティーがもらえるポイントが貯まるんだ。それが黒猫はどうしても欲しいんで、君もやがて手に入れられるんだから。

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非売品のノベルティーはこういうの期待してる